犬の「問題行動」は本当に問題?— 吠えや噛みつきの理由を知ろう

犬のしつけと聞くと、「問題行動を直すこと」と考えている方が多いかもしれません。しかし、本当に犬に問題があるのでしょうか?

「チャイムや来客に吠える」「抱っこしようとすると噛む」「散歩中に他の犬に吠える」「ブラッシング中に噛みつく」といった行動は、一般的に「犬の問題行動」と呼ばれます。でも、これらの行動には犬なりの理由があり、人間の視点だけで「問題」と決めつけるのは正しいのでしょうか?

今回は、犬の吠えや噛みつきが何を意味するのかを、犬の視点から考えてみましょう。


犬の「問題行動」は、実は「サイン」だった

犬は言葉を話せません。そのため、嫌なことや不安を感じたときに「やめて」と伝える手段として、吠えたり噛んだりします。人間が気づかないうちに、犬にとってストレスの原因となる行動をとっていることもあります。

たとえば、よくある「問題行動」を犬の視点で見てみると、次のような理由が考えられます。

  • チャイムや来客に吠える → 突然大きな音が鳴り、自分のテリトリーに知らない人が入ってくるのが怖いから。
  • 抱っこしようとすると噛みつく → 抱っこの仕方が不安定で不快、または抱っこされるとケージに入れられることが多いため、それを避けようとしている。
  • 散歩中に他の犬や人に吠える → 知らない犬や人が近づいてくるのが怖く、自分を守るために吠えている。
  • ブラッシング中に噛みつく → 力加減が強すぎる。または毛がブラシに引っ掛かり痛くてやめてほしいため。

このように、犬が吠えたり噛んだりするのは、「やめてほしい」「怖い」「不快だ」といった気持ちの表れです。つまり、犬の行動を問題視するのではなく、「なぜこの行動をするのか?」を理解することが大切なのです。


「犬の問題行動」ではなく「人の接し方」に目を向けよう

当しつけ教室では、吠えや噛みつきなどの行動を「犬の問題行動」ではなく、「人にとって困った行動」と捉えています。

つまり、犬が吠えたり噛んだりする原因は、犬自身ではなく、人間の接し方や生活環境にあることが多いのです。例えば、知らない人や犬に対して吠えるのは、「怖い」という気持ちの表れですが、その恐怖心を減らす環境づくりができていないことが原因かもしれません。

吠えや噛みつきを直そうとする前に、まずは 「なぜ犬がその行動をとるのか?」 を理解し、根本的な原因を解決することが大切です。


まずはカウンセリングで原因を知ろう

当しつけ教室では、レッスンを希望される方にカウンセリングの受講をお願いしています。

カウンセリングでは、

  1. 飼い主さんが犬とどのように関わっているか
  2. 犬がどのような生活環境で過ごしているか

を確認し、それぞれの家庭に合ったアドバイスを行います。

吠えや噛みつきに悩んでいる方は、まず「なぜその行動が起こるのか?」を知ることが第一歩。原因を理解し、犬が安心して過ごせる環境を整えることで、問題とされる行動も自然と減っていきます。

「どう対策すればいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。


まとめ

犬の問題行動は存在しない。
吠えや噛みつきは「嫌だ・やめて」のサイン。
原因を理解し、環境を改善することが解決への近道。

しつけは「犬をコントロールすること」ではなく、「なぜその行動をするのかを知り、快適に暮らせる環境を作る」ことが大切です。犬とのより良い関係を築くために、まずは愛犬の気持ちに寄り添ってみませんか?