犬が吠えるのは「いなくなってほしい」サイン?

「チャイムが鳴ると吠える」「知らない人や犬を見ると吠える」「物音に反応して吠える」──そんなご相談をよくいただきます。

実は、犬は「吠えたら相手がいなくなった」という経験を繰り返すことで、「吠えると自分を守れる」と学んでいる場合があります。これは偶然にすぎないのですが、犬にとっては「吠える=身を守る手段」なのです。

吠えるのには理由がある

犬は無意味に吠えているわけではありません。縄張り(自分のテリトリー)を侵されるのが怖いのです。来客、他の犬、生活音……どれも犬にとっては警戒すべき対象です。

そもそも、犬が人間に飼われてきた理由のひとつには、「音や気配に敏感で異変にすぐ気づく」という能力があったからとも言われています。

犬だって、できれば穏やかに暮らしたいはず。吠えることは、「怖い」「離れてくれ」というサインであり、好き好んでしているわけではありません。

苦手なものを我慢するのは、私たち人間にとっても難しいですよね。たとえば私は高いところが苦手で、なるべく避けるようにしています。犬も同じで、苦手なものは避けたいのです。

社会化と飼い主の理解がカギ

吠えない生活を送るには、子犬の頃からいろいろな物事に対していい意味と関連付けて無視できる経験を積ませること(社会化)が大切です。

すでに吠えることが習慣になっていても、理由を理解し、正しい対処法を学ぶことで改善が可能です。どんな音や状況に吠えるかは犬によって異なります。まずはそのきっかけを見極め、必要に応じてトレーニングや環境の見直しをしてあげましょう。